神さまのつぼ


私の好きなお話をひとつご紹介します。
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神様がひとつのつぼを大切そうに持っていました。 

ある時、
神様はやさしい笑顔でそのつぼを落とされ、 

粉々にしてしまいました。 


そして、粉々になったつぼの破片
にこう言われました。 

「さあ、破片たちよ。

皆で力を合わせて元のつぼに

戻りなさい!」 


破片たちは、みなぎざぎざでほこりまみれでした。
 
あるものは、
そのぎざぎざをなくそうとしましたが、 
なかなかうまくいきません。 

ぎざぎざをなくしてしまうと、

もとのつぼにはもどれません。 


また、ほこりやごみをつけたままでも、
元のつぼにもどれません。 

破片たちは、
粉々になった時そのままの姿でいいんだと氣づき、 
自分たちに近い破片と結び合い、
よりおおきな破片になり、 
今まで自分達とは住む世界が違うと思われた
別の大きな破片と結び合い、 

さらに大きな破片となりました。 


自分をそのまま受け入れ、 
自分以外と思われるものも

そのまま受け入れることによって、 

粉々になった破片が

もとのつぼになりました。 



自分も他人も、別のものではなく
元々は同じひとつのつぼなのですから。 

神様は、そのなりゆきを見ておもわず 

「わはは・・・ わしの思うつぼだな・・・

 よきかな!よきかな!」 


といわれたそうです。 

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おしまい


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